最近の業績

  特に目標はありませんが、小さな地理学を続けていく所存であります。2002年 2月 5日更新

「Welcome to Hideki-s World(3)」地理の会「会報」第12号。2002年1月
  首都圏を中心にしたメンバーが多い「地理の会」も遠距離ゆえあまり参加できないのですが、それでも金と暇のあるときはちょくちょく東京まで出かけています。おかげで、新幹線にはうまく乗れるようになりました。HIDEKI-S WORLDも会参加の大きな意義となっています。3回目は昨年の3月に馬場君と乗り歩いた名鉄竹鼻線の羽島市役所前から大須までの地誌を書いてみました。
  苦労したことは動いている電車の写真を撮ること、ファインダー越しに考えていると電車は行ってしまいます。こちらの都合に会わせて止まってくれませんし、かといってあまり近づきすぎると電車の運行の妨げになります。写真術も勉強しなくてはと思います。

「Welcome to Hideki-s World(2)」地理の会「会報」第11号。2001年7月
  福井市の鮎川、白浜、菅生など海岸沿いでは5月の終わり頃になるとワカメ漁がさかんに行われます。男達が海からガバーっと取ってきたワカメは近所のおばちゃん、おばあちゃん、交番の奥さん総出で加工します。水洗いして、味付けしてから竹籠の上で約一日干します。そのあと、袋に詰めて出荷するわけですから、金儲けの手段としては短期決戦型。この時期の浜は活気づいています。
  このワカメたち、福井名産の「もみわかめ」として夏の風物詩として昔から親しまれています。要は「ワカメのふりかけ」なのですが、磯のにおいがしてとっても美味しいのです。夏場限定で、食欲増進、この夏も健康で過ごせることまちがいなしです。

「2時間エクスカーションガイド 藤ケ丘から地名の世界へ」月刊「地理」古今書院刊。2001年7月号
  現在の生活の糧となっている「図書館司書」の資格は約2年かけて愛知学院大学で取得しました。夏休みに岐阜から名鉄電車と地下鉄、バスを乗り継いで2時間。周囲の地理的景観を省みることなく勉強(?)しました。資料分類法とか目録法とかの講義が主で、系統的になかなか覚えられませんでした。単位の認定はその日のうちにテストがあり、早く帰りたい一心で勉強しました。成績のほうは今ひとつで、「可」取り線香を炊かなくてはなりません。それでも懇親会ではみんなうち解けて、普段の顔がどうしても知りたくなってみんな根ほり葉ほり聞きます。ブラスバンドやっているの?とか、学校の先生?とかいう具合。講習が終わっても何かと会う機会も多かったり、いろんな妙なつながりもできました。
  藤が丘駅周辺も2,3の店を知っているだけで、遊びのスポットなど殆ど知らずに終わりました。名駅、栄などは地下街の様子も知らぬまま、即、名鉄乗り場へ。毎日となると自然に同じ道筋を歩いています。同じ番号のドアから電車に乗っています。取材をかねて歩いた時もいつしか同じ道筋を歩いていました。習慣というものは恐ろしいものです。
  今回は日々の通学路から少し足を延ばしたところを書いてみました。メインはやはり「小牧・長久手の戦い」にまつわる遺跡や、愛知用水、その他近年の土地開発などでしょう。自家用車なしでこれらを訪ねるのは少し不便でした。藤が丘を起点とする交通体系と、日進駅を起点とする交通体系はどこかうまくかみ合わず、これまた本当の意味で2時間内で巡検できるコースではないような気がします。事前に念入りな下調べが必要です。

「Welcome to Hideki-s World(1)」地理の会「会報」第10号。2001年2月 
  出かけると近くの郵便局に立ち寄って、旅行貯金をします。平日休める者の楽しみでしょうか。窓口で局印のスタンプを押してもらいます。もともと、オフ局(電算化されていない郵便局)めぐりを目的にしたもので、金額を打鍵する道具に風情を感じます。
  郵便局をあちこち巡って歩くのも貴重な地理情報の収集になります。郵便局でもらえる地図一枚、街角でもらえるテレクラのちり紙一枚にも僕には貴重な情報源。そこからすぐに文章が生まれるわけではありませんが、テーマとオチがある程度決まると何となく書いてみようと思います。・・・そして書き出したらいつもの通り・・・一気に書いてしまいます。
  「地理の会」には全国に仲間がいます。みなさんいろんな角度から地理に親しんでいます。詳しくはお近くの会員(私)まで。

「本の散歩道 8 高山植物と「お花畑」の科学」「福井市図書館だよりNO10」2000年11月
  福井市立図書館、みどり図書館で発行している「福井市図書館だより」に尊敬する水野一晴先生の著書を紹介しました。お役所的な出版物ですが、どうぞよろしく。

「2時間エクスカーションガイド 花らっきょの産地を訪ねて」月刊「地理」古今書院刊。2000年10月号
  福井市の移動図書館巡回ステーションには農作業小屋のようなモノもあり、そこらあたりの年寄り連中が集まってきて本を借ります。ちょっとしたコミュニティですね。ところが、世間で言う読書の秋10月11月は本そっちのけでラッキョウの修理作業に夢中です。塩漬けされたラッキョウを釜や包丁で根と茎を取り除きます。一人一日1から2キロがやっとでしょうか。修理されたラッキョウは農協の加工工場へ運ばれ本格的な味付けをして市場に出回ります。
  ここの作業場は酸っぱいような、ラッキョウ独特の臭いが立ちこめていて、マチから来た秀樹くんがお話を伺っても恥ずかしがってなかなか答えてくれません。気長に話を聞いて写真を撮ってどうにかモノになると思いきや、今度はこっちがボケてきてなかなか文章になりませんでした。つまり、テーマが絞れない状況です。地図をつくってやっと題名が決まりました。
  こんなことあんまり調べる人もいないようなので、できあがった物を見るとちょっぴり自慢したくなります。古今書院のみなさまいつもすみませんね。

  

過去の著作・雑誌記事

「生活と地名:福井県内の地理エッセイ」ウインズ刊。1995年5月
  初めての単行本です。地名という接点から地理学に迫ってみました。皆さんが地名というものをどのように使っているのか、また、地名は後世に向かってどのように変化・変容していくのかについて考えてみました。おかげさまで完売いたしました。毎度ありがとうございます。
  特に、新しくできた地名について考察を深めてみました。カタカナ表記の多いのが特徴です。皆さんの近くの地名も変化しているものがあると思います。

「福井地名(迷)トリップ」福井新聞連載。1995年12月から1996年2月
  福井、大野、勝山、織田、高浜などのフイールド調査報告。編集部の泉さんには大変お世話になりました。
  一人でぶらぶら調査していると、時々道に迷ってしまうことがあります。地図をいくら見ても解決しないこともあります。迷うに任せて歩き回っていると、新たな地理的発見をすることがあります。また一つの楽しみです。

「はじめての海外旅行:シリーズ旅の記憶89」月刊「地理」古今書院刊。1997年5月号
  はじめての海外旅行。はじめての原稿校正!!何もかも始めてづくし。
  中国はとにかく大きかったなあ、広かったなあ、という印象が強く残っています。問題の三狭ダムもうすぐ完成すると思います。生態系や、環境に及ぼす影響は何らかの形ででてくると思います。そうでなければ自然の力の方が偉大かと思います。見た方はおわかりかと思いますが、生半可な工事現場ではありませんから。
  ご同行された方には大変ご迷惑をおかけいたしました。お酒の飲み過ぎには注意!

「地理を語る会の記録 第2巻」福井県地理学会、木下昭三/編。1997年12月
  私の所属している福井県地理学会の外郭団体(カッコつけるなコラ!!)の「福井県地理を語る会」の100回記念文集です。第98回に「福井の地名を考える」と題して発表しました。かなりの質問責めに会いましたけど。
  数あるご本の中で在庫が一番多く残っています。ご希望の方には激安でおわけいたします。

「食文化たべあるき帖 その15 たくわんの炊いたの」月刊「地理」1998年9月号
  福井の伝統的食文化である「たくわんの炊いたの」について調べてみました。5月から7月ぐらいまでよく食べられるのではないでしょうか。我が家でも、母がよく作ってくれますが、私はあまり好物ではありません。だいたいあの煮詰めているときのにおい!何ともいえませんね。最近はスーパーマーケットでも出来合いのものが売っています。取材をかねて数社の製品を買って撮影しました。その結果、賢明な諸君はおわかりでしょう。我が家の冷蔵庫は母の秀作品と、スーパーのおそうざいの「たくわんの炊いたの」でごった返す羽目に。おまけに、記事を読んでくださったかたからは、「ああいった味がお好みだったんですね」とか。
  水上勉氏が郷土の味とF新聞のコマーシャルでアピールしたのは、半分は嘘で、「たくわんの炊いたの」は京都府の北部地方でも作られているとか。たくさんのご意見もいただきまして大変勉強になりました。

「2時間エクスカーションガイド」月刊「地理」古今書院刊。2000年2月号
  学生時代を過ごした岐阜県岐阜市、羽島市、羽島郡柳津町を調査報告しました。小さな輪中地帯を見たい方にはおすすめのスポットです。4.5月は境川の堤防の桜がとてもきれいです。また河川敷にはカラシナ(アブラナの仲間と考えてよいでしょう)の黄色い花も満開です。とてもいいところですよ!!
  町並みを見ると、年月とともに地域は変化しているのがよく分かります。昔からの輪中の生活様式が次々と消えていくのは、少し残念なのですが、それがまた調査の対象であり、地理学のおもしろさ奥ゆかしさにつながるのではないでしょうか。
  執筆にあたっては伊藤安男先生(前 花園大学教授)のお力添えをいただきました。お礼申し上げます。

「ようこそわが町紹介運動 11 市内ぶらり旅 福井市」月刊「地理」2000年7月号
  できの悪い観光ガイドみたいですが、まあ、読んでやってください。気分的に落ち込んでいたときに書いた物なので、あまり自信作ではありません。校正の時に内容の大半を書き直してしまいました。編集部の皆さんにはご迷惑かけました。
  福井市のことを手短に書くというのは案外難しいものです。どうしても内容が中心部に偏りがちになってしまいますし、観光地としての魅力も低いのが悩みの種。でも、最近、小さな本(大明堂の「歴史のふるい都市群」みたいなやつや、「歴史読本」の雑誌)をもった人たちが福井城跡などを散策している姿を見かけます。パックツアーでは味わえないゆとりある旅でしょう。
  福井発祥の地「北の庄」城跡も発掘が進んで、新たな歴史空間が誕生することと思います。僕たちもよく分からない歴史の数々、福井は都市的機能を追い求めた結果、たくさんの歴史的遺産を失いました。すべてを発掘・保存することはできませんが、今一度考え直す時期にさしかかっていることは確かです。